豆知識
バッテリーターミナルの選び方と交換方法
↓【1】ポールサイズを確認する ↓【2】ケーブルとの接続タイプ ↓【3】バッテリーターミナルの本体材質について ↓バッテリーターミナル【一覧】 ↓【参考1】ボルトタイプといっしょに使用する丸形端子の選び方 ↓【参考2】電線の太さ ↓バッテリーターミナルの交換方法
【1】ポールサイズを確認する
自動車用バッテリーの電極はプラス極(太)およびマイナス極(細)から構成され、ポールサイズは大ポール(Dタイプ)と小ポール(Bタイプ)の計2種類があります。ヒーロー電機製のバッテリーターミナルの型式は、プラスを1(+)・マイナスを2(-)と表示し、DタイプをL(大)・BタイプをS(小)と製品表記しています。
【2】ケーブルとの接続タイプ
ヒーロー電機製のバッテリーターミナルは、「圧着タイプ」,「変換タイプ」,「ボルトタイプ」,「蝶ナットタイプ」,「マルチ型タイプ」の計5種類があります。
「圧着タイプ」のバッテリーターミナルは、バッテリーターミナルに直接電線を通し、圧着工具(簡易圧着工具D-19N/D-20N、および油圧式圧着工具9H-60・EP-150A)を用いてターミナルと電線を圧着の上、バッテリー(鉛蓄電池)本体に装着いたします。
「変換タイプ」は車両側のバッテリーターミナルを一切取り替えることなく、そのまま使用することが可能な<アダプター>の役目を果たします。
「ボルトタイプ」,「蝶ナットタイプ」,「マルチ型タイプ」の各バッテリーターミナルは、丸形端子(DRシリーズ)を併用してバッテリー(鉛蓄電池)本体に装着いたします。
※板タイプバッテリーターミナル(圧着オープンタイプ)をご使用される場合には、適用工具である油圧式圧着工具(9H-60)での圧着対応をお願いいたします。
【3】バッテリーターミナルの本体材質について
バッテリーターミナル本体に採用している材質は「無酸素銅(OFC)」と「黄銅鋳物」の二種類となります。
板タイプバッテリーターミナルの素材には、銅成分が高純度であり温度による材質変化が少なく、純銅のなかでも導電率が(IACS)100%以上の性能を有する「無酸素銅(OFC)」を採用。また、自動車アフターマーケットで長年にわたり培ったノウハウを反映させた独自設計により、自動車等の振動にも十分に耐えうる形状に仕上げております。
※1. IACSとは電気抵抗の基準として国際的に採用された焼鈍(アニール処理された)標準軟銅のことで、導電率100%IACSと規定されています。
※2. 上記数値は一般参考値(目安)であり、絶対値(保証値)ではありません。
(※注) Cu-Zn合金は黄銅(おうどう)、真鍮(しんちゅう)、ブラス(brass)とも呼ばれますが、学術用語は「黄銅」です。
(引用文献):大沢直.図解入門 よくわかる最新「銅」の基本と仕組み.秀和システム、2010、 p.106、(秀和システム)
黄銅鋳物製バッテリーターミナルは、自動車のエンジン振動や走行振動により繰り返し応力がかかることによる「疲労破壊」を回避すべく、バッテリーターミナルの“素材肉厚化”を設計開発段階からの基本コンセプトとして、製品自体の堅牢性を追求。
バッテリーターミナル【一覧】
板タイプバッテリーターミナル
写真 | 仕様 | 品番※ | 規格 ・ 仕様 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
ポール | 適用 | 極 | 材質 | 表面処理 | |||
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圧着タイプ | DCPL60-1 | 大 (Dタイプ端子) |
圧着部内径 12.5φ 適用電線 60.00mm2 |
+ | 無酸素銅 (OFC) |
スズ メッキ |
DCPL60-2 | - | ||||||
DCPL38-1 | 圧着部内径 9.4φ 適用電線 38.00mm2 |
+ | |||||
DCPL38-2 | - | ||||||
DCPL22-1 | 圧着部内径 7.7φ 適用電線 22.00mm2 |
+ | |||||
DCPL22-2 | - | ||||||
DCPS22-1 | 小 (Bタイプ端子) |
圧着部内径 7.7φ 適用電線 22.00mm2 |
+ | ||||
DCPS22-2 | - | ||||||
DCPS14-1 | 圧着部内径 6.0φ 適用電線 14.00mm2 |
+ | |||||
DCPS14-2 | - | ||||||
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圧着オープン タイプ (オープン バレル用) |
DOPL-1 | 大 (Dタイプ端子) |
適用電線 38.00mm2 専用ダイス使用 |
+ | ||
DOPL-2 | - | ||||||
DOPS-1 | 小 (Bタイプ端子) |
適用電線 22.00mm2 専用ダイス使用 |
+ | ||||
DOPS-2 | - | ||||||
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ボルトタイプ | DTPL-1S | 大 (Dタイプ端子) |
縦ボルトタイプM8 | + | ||
DTPL-2S | - | ||||||
DTPS-1S | 小 (Bタイプ端子) |
+ | |||||
DTPS-2S | - | ||||||
![]() |
変 換 バッテリー ターミナル |
DXL SET | 車両側のバッテリーケーブル端子が小ポール(Bタイプ端子)用で、乗せ替えるバッテリーの端子が大ポール(Dタイプ端子)の場合に使用する変換端子です。 | + - |
無酸素銅 (OFC) (本体) 黄銅 (スリーブ) |
スズ メッキ (本体) 無処理 (スリーブ) |
|
![]() |
DXS SET | 車両側のバッテリーケーブル端子が大ポール(Dタイプ端子)用で、乗せ替えるバッテリーの端子が小ポール(Bタイプ端子)の場合に使用する変換端子です。 | + - |
黄銅鋳物製バッテリーターミナル
写真 | 仕様 | 品番※ | 規格 ・ 仕様 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
ポール | 適用 | 極 | 材質 | |||
![]() |
ボルトタイプ | DTBL300-1 | 大ポール (Dタイプ端子) |
縦ボルトタイプ M10 |
+ | 黄銅 鋳物 |
![]() |
DTBL300-2 | - | ||||
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DTBL308-1 | 縦ボルトタイプ M8 |
+ | |||
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DTBL308-2 | - | ||||
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ボルトタイプ (コンパクト) |
DBA-1 | 大ポール (Dタイプ端子) |
縦ボルトタイプ M10 |
+ | |
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DBA-2 | - | ||||
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蝶ナットタイプ | DBL-1 | 大ポール (Dタイプ端子) |
蝶ナットタイプ M10 |
+ | |
![]() |
DBL-2 | - | ||||
![]() |
DBL8-1 | 蝶ナットタイプ M8 |
+ | |||
![]() |
DBL8-2 | - | ||||
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DBS-1 | 小ポール (Bタイプ端子) |
蝶ナットタイプ M8 |
+ | ||
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DBS-2 | - | ||||
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マルチ型タイプ | DML-1 | 大ポール (Dタイプ端子) |
縦ボルトタイプ M8 (3本全て共通) |
+ | |
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DML-2 | - | ||||
![]() |
DMS-1 | 小ポール (Bタイプ端子) |
+ | |||
![]() |
DMS-2 | - |
【参考1】ボルトタイプといっしょに使用する丸形端子の選び方
ボルトタイプのバッテリーターミナルに丸形端子を装着する場合には、バッテリー本体側の縦ボルトサイズ、および丸形端子の適合ボルト穴径を確認の上、丸形端子を装着いたします。















【参考2】電線の太さ
電線のサイズは、銅線一本一本の断面積(mm2)合計で表します。したがって銅線、または被覆(電線全体)の直径ではありません。バッテリーケーブルの太さは14sqから60sqの幅があり、それぞれに適合したターミナルを選びます。



バッテリーターミナルの交換方法

バッテリーターミナルの交換方法(PDF)
(ヒーロー電機ホームページへ移動します)
https://hem.co.jp/info/pdf/btkh.pdf


①バッテリー(鉛蓄電池)のポールに板タイプバッテリーターミナルを押し込む。
②ポイントAが反対側の面に当たるまでM6ナットを締め込む。
③更にM6ナットを締め込むことにより、ポイントAが支点となりバッテリーターミナルがバッテリー(鉛蓄電池)のポールを締め付けます。(支点の作用により、バッテリーターミナルがしっかりと固定されます)
④取付直後は緩みがないかを確認
⑤定期的に緩みがないことを確認

